ゲーム制作イベントLudum Dare 29に参加しました
どうも!グラフィックデザイナーの「べる」です。
ゲーム制作イベントLudum Dare 29に参加しました。今回で2回目。
前回はチームで参加しましたが、今回は48時間を一人で制作するcompoルールで参加してみましたよ。
48時間をひとりで制作するフォーマルなルールのCompoと、72時間をチームで制作が可能なカジュアルなルールのJamがあります。
geekdrumsさんが詳しい記事を書かれています。
ゲーム制作においてはグラフィックデザインと企画、なんちゃってディレクションの経験以上したことがないので、かなり思い切った挑戦でした。
まず完成したゲームの紹介「PEEL OFF THE PLANET」
ドーナツに見えますが惑星なのですよ!
三角のカーソルをピンクの範囲まで移動させて、つっついてひんむくゲームです。
作品はこちらから遊べます。
PEEL OFF THE PLANET | UnityGameUploader
Ludum Dareの投稿ページはこちら。
PEEL OFF THE PLANET - berunu - 48 Hour Compo Entry
たったひとりの48時間ゲーム制作
ここからは48時間の死闘について語ります。準備不足の痴態を晒していますし、泥臭いですし、当たり前のようなことしか書いていない気がします。それでも興味のある方はどうぞ。
25日 イベント前日 準備開始
まさかの前日からの準備でした。なんという余裕!しかし後々しっかりと痛い目をみています。反面教師としてください (白目)
今回使用するゲームエンジンのUnityの経験ですが、ネットに落ちてるサンプルゲーム4本を手順に従って作った程度のもの。実装経験値はほぼ空の状態。サウンドに関しては未知の世界。この状態でオリジナルのゲームが作れるのか?
このままでは48時間Unityの使い方と言語のお勉強だけでも終わってしまう。
そこで考えたのが、なるべく多くのサンプルゲーム実装例が掲載されている技術書を手元に置いて、先人達が開発したゲームの基本部分や機能を繋ぎ合わせることで企画の形に近づけるという方法でした。名付けてキメラ作戦。
ゲームにさえなってくれたら、後は自分の得意分野のグラフィックデザインを用いてガワを取り繕えば完璧だと。このときは・・そう簡単に考えていました・・(遠い目)
ともあれ、善は急げの書店ダッシュ。
店頭に置いてあるUnityの本に一通り目を通して、自分に合った2冊を選びました。紹介します。
1冊目。
Unity4ゲームコーディング 本当にゲームが作れるスクリプトの書き方
- 作者: 浅野祐一,荒川巧也
- 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
- 発売日: 2014/03/28
- メディア: 大型本
- この商品を含むブログ (3件) を見る
サンプルゲームが多く載っていて、内容に関してもゲームに必要なものの実装例が多く掲載されていました。内容もカラフルで画像解説が多い。初心者がとっつきやすいと思います(初心者なので)。本書で使用している言語がJavaScriptなのでそこだけ注意。
2冊目。
先ほどのUnity4ゲームコーディング本の入門編。こちらは購入しようか迷いましたが、情報をまとめたものとして傍らに置いておくと何かの役に立つだろうと思い購入。実際のところ今回はゲームコーディング本よりもこっちの方が役に立ってくれました。
これで準備完了。明日はなるようにしかならない。
26日10時 イベント開始
イベント開始15分前に起床。開始時に発表されたテーマは「beneath the surface」。単体では「表面下で」「一皮むけば」といった意味。
戦略としては、とにかく全てがシンプルであること。これを遵守しないと自分の持ち合わせている技術から考えてほぼ100%時間内に完成しないことが目に見えていました。
だけども、シンプルと言いつつ最初はボリュームを度外視して企画を考えていく。その中から面白いと思った部分をミニゲームとして抽出すれば良いかなと。
恐れることなく、面白いと思ったアイディアを紙に書き出してみる。
3案ぐらい出したところで、ひたすら惑星の地表をはがして、没入するままに惑星の中心部にある真理を追求していく「惑星はがしゲー」に決定しました。(実際完成したものは、このときの構想の4割程度のところまでボリュームを落とし込んだものとなっています)
企画が固まったところで制作開始。Unity起動!
技術書とにらめっこしつつ、最終的には深夜1時近くでプロトタイプっぽいものが形となる。だが、prefabがもの凄い勢いで自動生成されるバグを生み出してしまいUnityが固まる。南無。
し、しんでる・・ (Unityが固まる)
— べる (@berunu) 2014, 4月 26
修正・・?いえ、激しく眠かったので放置して潔く寝ました (オイ)
27日 11時 起床
たっぷり9時間ぐらい寝ました。ソロ制作自由すぎる。
そして、この日は急な用事が出来てしまい、日中の予定がほぼ埋まるというハプニングが発生。漂う絶望感。制作が止まったまま陽が沈んでいく・・
27日22時~28日10時まで 最後の追い込み
作業再開。
残り12時間なのに細かいところの実装、グラフィック、音素材の作成etc・・とにかく一人だとやることが非常に多い。そこでもう一度、この状態から残りおよそ10時間ほどでゲームを完成形に持っていくにはどうすればを良いのかを考え始める。
闇雲に作業を進めてもリスキーなので、技術書2冊を端から端まで目を通して必要な部分に付箋を貼り、実装予定の機能と関連付けていく。同時にネット上もチェック。攻略本を作る勢いで実装経路を整理しまくった。
そして、残り8時間でタイム周り、スコア周り、タイトル画面、動的演出、残り全ての機能の実装と調整、グラフィック素材の作成、SEの作成と着手して着々と組み込んでいく。ひたすら黙々と、背伸びせず基本に忠実に、不安に折れることなく(ここが一番重要な気がする)。BGMは間に合わなかった (白目)
9時半頃、ギリギリ完成。
Web公開とLudum Dareのサイトでのアップを済ませたのがタイムリミットの1分前。
ソースコードアップし忘れていたことに後日気付いたが、編集できなくなっていたのでどうでも良くなった。燃え尽きた・・
感想
そもそものcompo参加の動機は「自分だけでどんなゲームが作れるのだろうか」といった、単純な興味から湧いた創作衝動のようなものでした。それが過酷なルールなどの条件を凌駕して、参加に踏み切らせました。
実際のところ、予想通り全部一人で作業するというのは大変でした。けれども、得られたものは予想していた以上に大きかったです。成功も失敗も初心者なればこそ対して関係なく、48時間を戦い抜いたならば、各分野に対する理解や視野も広がり、ゲーム制作者として大きなレベルアップができると言い切れます。世界中のインディーゲーム制作者とのコミュニケーションを期待できるのも大きな利点です。
もしこれを読んだインディーゲーム制作に興味がある方、やっている方、Jamのみ参加したことがある方など、ソロ制作未経験者なら誰でも、興味が出たのならばやる気だけで十分ですので、次回のLudum Dareのcompoルール参加に踏み切ってみるのは如何でしょうか?
はー いやー・・ 完成して良かった (∩・ω・) ←まとめ軽
Global Game Jam 2014 札幌会場で『Wave Weaver』を作りました!
今年も Global Game Jam の48時間で最高のゲーム製作を体験してきました!
@meyco (めいこ) さんが作成された札幌会場用のポスター。超かわいい。
この記事を書いた人
札幌会場チーム1『Wave Weaver』でデザイン/アニメーションを担当した
『べる』と申します (∩・ω・)
GGJ参加は今回で4回目で、こっそりと札幌会場の皆勤クラスタです。
Global Game Jam って?
世界各国で同時開催!(今年は338箇所)
プロアマ関係なし!発表された『テーマ』をもとに、48時間で最高のゲームを作ろうぜ!
2012年には世界最大規模のゲーム開発イベントと認められ、ギネスにも認定されました。すごい (小並感)。
2014年のテーマは・・・
"We don't see things as they are, we see them as we are."
『私達は物事をあるようには見ないで、私達が在るように見ている。』
― アナイス・ニン 語録より ―
これがテーマだ!なるほど分からん。
そしてテーマから作ったゲーム『Wave Weaver』
結果として札幌会場チーム1はこういう作品を作りました。
迫り来るカラフルな波をかわしまくれ!
シンプル中毒ゲー、その名も『Wave Weaver』!(ウェーブ ウィーバー)
イベント後の試遊会からドハマりする方続出!
最高のゲームと胸を張って言える作品になりました。
テーマはどこにいった?
会場には動画と別に『テーマが印字されたカラフルな紙』が配布されました。
チーム1のリーダー @giginet (ぎぎねっと) が『この紙全体がテーマでも良いんです!』と言ったことがきっかけで、ふとこんなことを思いました。
『この紙はゲームの画面だ!』
そこに在るものがチーム1のテーマであり、ゲーム画面そのものに見えました。
デザイナー『べる』は何をしたの?
- 企画
- レベルの色彩とコンセプトアート
- キャラクターの動的演出とスプライトアニメーション
今回デザインで挑戦したこと
兼ねてより『ゲーム製作において挑戦したいこと』が二つありました。
ひとつ目は『配色にストーリーを持たせる』
ふたつ目は『フラットな世界観の表現』
ひとつ目の『配色にストーリーを持たせる』というのは、『風ノ旅ビト』の、プレイヤーの感情を意識したステージのコンセプトアートに強く影響されています。
ふたつ目の『フラットな世界観の表現』は今にして考えてみると、『Fez』のドットアニメーションの作風に影響されてから、想像を膨らませている過程で『140』の映像などを見たことがきっかけだったように思えます。どちらも映像のみの情報なのですが、記憶に残るほどに強烈なインスピレーションを受けました。
今回は良い機会だと思い、そういった我侭も企画に落とし込むことで実現することが出来ました。
チーム全員で作り上げたデザイン
グラフィック/デザイン周りは3人で分担しました。
@berunu (べる) 色彩設計/スプライトアニメーション
@mishima_ (三島) グラフィック/UI/キャラクター
@_hitsumabushi_ (ひつまぶし) エフェクト
しかし、チーム内のデザイン協力者を含めるとさらに増えます。
プログラマー @giginet (ぎぎねっと) レベルテキスト表示の動的演出を提案。
プログラマー @ignis_fatuus (いぐにす) 色弱を意識する必要性を明示。
プログラマー @tcptr (かふせ) 波形やパターン、フェードなど、波の動きを生成。
サウンド @shinka_cb (しんか) 色相に関するアイディアを拝借。
ドキュメント・進行管理 @tunacook (つなくっく) UIやレイアウトの品質のチェック。
なんと、この時点でチーム1の全員が出揃いました!
全員のアイディアの結晶が『Wave Weaver』のデザインを作り上げています。
一度崩して再構築した世界観
『Wave Weaver』は最初、フラットなデザイン、キャラクターのシルエット、ストーリーという概念がない、などの点から、作品のイメージが『無機質』な方向性に進んでいるようでした。そうなると自然と配色も『見た目』を重視され、とにかく色相を広げる戦略に向かいました。
そんな中、@mishima_ (三島) さんがキャラクターに目玉をつけたことにより、頭の中でその三角の生き物が、音の波とサウンドに併せてリズム良く鼓動し、形状を変化させ、目をパチパチとさせている姿が浮かびました。
(イメージは『ビブリボン』のウサギ)
作品全体の無機質なイメージを崩して、生きたキャラクター、演出、世界観を表現したいという気持ちがじわじわと胸の内に広がり続け・・
そして初日の深夜。
作り上げた背景と波の色を一度全部まっさらにして、@mishima_ (三島) さんの初期案を崩さずに、プレイヤーとキャラクターの感情を同期させるように意識した上で『レベルを跨いだときに感情が動く』ように色を組み直し、併せてキャラクターを意識したアニメーションの構想も練りました。
各レベル配色にどんな意味があるのかはネタバレになるので、リリース以降のブログのネタとするか、それよりも早く気になった場合は直接 @berunu (べる) までどうぞ。
2Dスプライトアニメーションのこだわり
今回は2Dアニメーション作成に『SpriteStudio』を使用しました。
とても簡単で、フラットなゲーム製作との相性もバツグンに良いツールです。
アニメーションでこだわったところはコッソリと多く、三角くんがビートに合わせて鼓動をしていること以外にも、目パチのテンポはあえてリズムからずらしていたり、伸縮に慣性をつけたり、リトライ時に形を取り戻したときは『意識を取り戻した』というイメージで目の焦点を上下に回していたりなど、キャラクターを演出するために細かいことをしています。
しかし『何となく細かくした』のではなくて『キャラクターを表現し、自然を装うために、必然的に細かくする必要があった』というのが正解です。意味もなく、座標もスケールも点から点を移動するだけのアニメーションとしてしまっては無機質かつチープな作りに感じてしまいます。
フラットなゲームのリッチさや各表現は、デザインやレイアウトに加えて、動的演出ひとつでガラリと変わるな、ということを実感しました。
近いうちに2Dスプライトアニメーションデータ作成ツール『SpriteStudio』の技術記事を書きますので、興味があればチェックしておいてください。
さいごに
GGJはたったの48時間ですが、体験としては半年の期間でゲームを製作をしたような気分になりました。それだけ得られるものが大きい。
また今回は、参加人数の増加に加えて、飛行機を飛ばしてまで札幌会場に参加されたり、RedBullが無限湧きだったり、例のアレやソレの中の人が参加されていたり、世界一のゲームジャムと言われるのも納得の状況になっていたように思います。
年々参加者も増えてきているので、来年はさらに多くの人を巻き込んで、沢山のゲームを作り出し、インディーゲームのシーンをより一層盛り上げてくれるイベントになるのでは無いかと期待しています。
Global Game Jam 最高の48時間をありがとう!
終わったと見せかけての告知
札幌会場チーム1作『Wave Weaver』はイベント中、cocos2d-xベースのiOSアプリとして開発していたので、まだ一般公開はされていません。
システム、レベルデザイン、グラフィック、演出など各種調整をして、さらに色を扱うゲームなので色弱対策も可能な限り考慮し、Androidにも対応した上でお届けできる予定です。
一般公開に向けて鋭意製作中ですので、ご期待ください!
横スクロールアクションぷちゲーム『ぼくはキミの盾』リリース!
今年の4月からゲーム製作者コミュニティKawazで企画を立てて製作を進めていました
ぷちげーぷろじぇくと第2弾「ぼくはキミの盾」が遂に完成し・・・
本日お披露目となりました! (∩⊃`・ω・)∩⊃ <ウオオオ!
僕は今回、企画・ディレクションを担当しています。
また、グラフィッカーとしては一部素材とUI を担当しています。
ぼくはキミの盾 (ぷちげープロジェクト) DLページ (記事中段辺り)
前回の「最終兵器野球少女」からおよそ半年が経ちましたが、無事に完成した達成感を噛み締めるとともに、無事にリリースできた安心感でほっとしています。
ゲーム紹介
横スクロール型のアクションゲームです。
好感度システムが採用されており、ラスボスとエンディングまでを用意しています。
盾となるあなた自身は無敵の存在です。その特性を生かし、3種類の魔法アクションを駆使して敵の注意を惹きつけて、体を張ってお姫様を守りましょう!
強制スクロールなので移動は一切必要ありません。向こうから信じられないほど大量に迫ってきます。
使用できる魔法について
ステージをクリアするために必要なアクションは「Aキー」、「Sキー」、「Dキー」の3つのボタンキーによる魔法のみです。
★Aキー アピールの魔法 ⇒ スター性を感じる魔法です。
前方放射状の敵を掃除機のように吸い込みます。
ゲージも素早く回復する上に広範囲なので、多くの場面での防御手段となり、攻撃手段にもなります。
★Sキー ブラックホールの魔法 ⇒ 脅威の吸引力。
周囲円形の全てを吸い込みます。
全方位の敵を吸い込めるので非常に強力ですが、射程が短く、ゲージが回復し難いので、ここぞ!という時に使いましょう。
★Dキー グラビティの魔法 ⇒
画面の一番高いところまで範囲が設定されている対空魔法。
さらにこの魔法に限り地面にも攻撃判定が生まれるので、敵を押しつぶすことも出来ます。
もしかすると、組み合わせ次第で魔法の性能が変化したりなど、不思議なことが起こるかも知れません。
それは時として大きな力と戦うときに役に立つでしょう。
好感度システムってなに?
好感度は画面右上に表示される大きなハートの数値のことで、ステージ採点機能です。お姫さまにカッコイイところを見せると上昇し、カッチョわるいところを見せると下降します。
全てのステージで好感度100MAXを出せるツワモノは、エスコートマイスターと呼ばれ、周囲から崇め奉られるようになるでしょう。 \目指せモテ盾!!/
『ぷちげーむ』製作ついて
ここからは余談です。
最初に述べたように、このゲームは、ゲーム製作者コミュニティKawaz内のひとつの企画から生まれました。
「ぷちげーむ」というお題目でコミュニティ内で企画し製作を進行してきましたが、僕の考える「ぷちげーむ」とは、「1ヶ月で作れるボリュームのゲーム」であること、基本的にはそれだけのことでした。
そのスタンスを貫いて企画をするならば、ゲーム製作の未経験者や初心者にとって魅力的な創作の場となるのかも知れないと踏んで、徹底的にコミュニティ内部の未経験者を優遇し、こちらから声をかけることでメンバーを構成し、チームでゲームを完成させたときの達成感を最短距離で味わってもらおう!ということを考えて行動し、そして全員の力で今日の完成に至りました。
結果として今回は製作に半年掛けましたが、それも全て『完成させた』という事実でもって祓われたような気分になりました。時間が掛かった原因は色々ありますが、それらも全て経験として吸収し、次の製作に生かしたいと思います!
今回得たことは沢山あるのですが、大きかったもののひとつとしては、趣味の製作であれば尚のこと、話を持ち出した人の情熱さえ絶やさなければ作品は必ず完成させることが出来るんだな、と確かな手応えを感じたことです。
ともあれですが、『ぼくはキミの盾』ぜひとも遊んでみてください!
(Macでは遊べないのですが、今なんとKawaz内の技術者がmacに移植してくれているようです。期待!)
最後に一枚描きました
▼完成記念にお姫さま描きました!
※11/18日追記
ぎぎねっと君がMac版を作成してくれました!以前と同じDLページからダウンロードできます。
LudumDare 27 に参加しました
はじめに
8月24日にLudumDareというイベントに参加しました。
LudumDareとは?
与えられたテーマに沿って、48時間でオリジナルゲームを作ろうというイベントです。
年に3回 (4月、8月、12月) 開催されています。
48時間と明言しつつ実はルールが2種類用意されていて、48時間をひとりで制作するフォーマルなルールのCompoと、72時間をチームで制作が可能なカジュアルなルールのJamがあります。
今回、僕達は3人編成で臨み、72時間で制作をするJamを選択しました。
他にもルールによって違いありますが、ここで解説するよりもgeekdrumsさんが詳しい記事を書かれています。興味のある方は以下の記事を読んでみてください。
テーマ発表!
刻限に発表されたテーマは「10 Seconds」でした。
さて、貴方はどんなゲームを想像しますか?
作ったゲーム
『 ENCOUNTER』
邂逅、出会い、そういった意味を込めてつけたタイトルです。
ゲームの内容はとてもシンプルです。そしてサクッと遊べます。
ちなみに操作方法は明記していません。
しかし心配ありません。攻略の鍵は、きっと貴方の中にあります。
上のページから「Web」をクリックするとブラウザ上からも遊べます。
ENCOUNTERの世界をぜひ体験してみてください。
作品について
作品や狙いについては、geekdrumsさんが下の記事で解説してくれています。
CEDEC2013 「ナラティブ」はここにある! 国産ゲームに見るナラティブとは?(実際に作ってみた)
チーム紹介
プログラム/サウンド geekdrums
デザイン/グラフィック 菅原
グラフィック べる
さいごに
本当に良い刺激になりました。
経験する全ての創作は、自分の中で必ずひとつに繋がると確信できました。
今後も多くを経験して、広くに活かすことが出来れば良いなと思います!
GlobalGameJam2013札幌~激動のゲーム制作48時間~
★はじめに
こんにちは、2DCGグラフィッカーのべるです (、・ω・)、
今年も48時間でゲームを作るイベント『GlobalGameJam』(略してGGJ) に参加して来ました!
ねぎやん様が作成された札幌会場のポスター▼
★GlobalGameJamとは何ぞや?
GGJとは、提示されたテーマに沿って48時間でゲームを作る世界規模のお祭りイベントのことです。
今年は、イベント開催期間中の1月25日から27日までの3日間で、63カ国・地域の321会場に計14,000人以上のクリエイターが参加された模様。
日本はその内の17会場で計400人以上が参加。すごい規模!(`・ω´・)
そんな中で、僕は札幌ゲーム製作者コミュニティ Kawazが運営する札幌会場に、グラフィッカーとして参戦しました。
札幌会場で今年発表された全作品の詳細については、札幌会場のオーガナイザーぎぎにゃんこ様のブログで綺麗にまとめられています。
・・・え?終わり?!(`・ω´・;)
緊張を盛り上げるための演出かと思ったら、「ドクッドクッ・・・」というこの音こそが今年のテーマでした。
テーマ発表後、早速メンバーと集まって作戦会議。
僕が配属された1班はプログラマー2人、サウンド1人、グラフィッカー2人、プランナー1人の6人編成。
僕のテーマに対するファーストインプレッションは「心音」で、メンバーで集まって話しても、やはり「心音」という意見が多数。
何だか似たようなゲームが沢山量産されてしまうような危機感を感じたので、取りあえず強引にでもテーマを広げてみる。
そんな中で、チームリーダーのぎぎにゃんこから一言。
『僕は電車の音かと思いました』
★インディ・ジョーンズ風ゴールドラッシュで荒野をトロッコで爆走してジャンプもしちゃう
「電車の音」に着眼して、さらに広げていく。
「箱をゆすってゴトゴトさせる音」、「ベルトコンベアの音」などユニークな意見も多数出ましたが、最終的に決まったのが『トロッコ』の音。
トロッコが使用されているゲームとして、マリオRPGのトロッコのミニゲーム、SFCドンキーコングのトロッコ面などを引き合いにしてゲーム性をまとめていく。
最終的にゲームシステムの方向性の決定打になったのがアプリゲームの『Temple Run』だった。
必要なネタが出揃ったら、後は連想ゲームの要領で世界観を構築。
トロッコ ⇒ インディ・ジョーンズ ⇒ 荒野 ⇒ ゴールドラッシュ
非対称のゲーム性にそういった要素を絡めていく。
結果、iPadでルートを舗装しながらナビゲート、iPhone3台で適切なルートを選択しながら、4人で協力してコインを集めようぜ! ということになった。
(iPad1台、iPhone1台の2人プレイから可)
そして「トロッコが線路の切替器を使用せずに車線変更する」という道理が通らない設定は、キャラデザでゴリ押すことに (笑)
★イベント開始から2時間で制作開始
去年は深夜になるまで企画が定まらず、素材を作り始めたのも2日目の明け方からというスロースタートでした。
また、ほぼ全ての班がそうだったように記憶しています。
今回はそんな前回の反省点を踏まえて、事前にメンバーに「どういったゲームを作りたいか?」という話を持ち掛けていました。
その中で、WiiUに多く見られる『非対称ゲーム』という新しいジャンルのゲームが注目がされて、「iPadとiPhoneで画面を共有しながら異なる体験を提供できるゲームを作りたいよね」といった流れに。
つまり、僕達の班のメンバーの半数は、イベント開始前から「作りたいゲーム」に対するイマジネーションを持って望んでいたことになります。
僕が担当した箇所は、キャラデザイン、トロッコの作成、ロゴデザインと作成、タイトル画面やゲームオーバー画面のイベントCGなど、2DCGに関わるグラフィック作成となりました。
手描き感満載なGAME OVER画面▼
UI素材やテキスト関連の素材、プレイ中の背景、レールやマップチップ等は、もう一人のグラフィッカーでガチプロの、こじとらさんが作成して下さいました。
通信待機中画面の凄まじいクオリティに度肝を抜かれた方も多いと思います。
そんなこんなで作業開始!
★立ちはだかる端末と解像度の壁
実はiPadとiPhoneで画面のアスペクト比が異なります。
つまりは、素材は異なるアス比の対応を考慮して複数作成する必要があるということです。
さらに、両端末のRetinaディスプレイにも対応させることとなったので、1つの素材に対して異なる解像度の画像を計4種類作成する必要性が出てきました。
(iPad、iPadRetina、iPhone、iPhoneRetina)
つまり、3:4の画像と2:3の画像、さらにRetina対応で各アス比の2倍の解像度で計4種類の画像が必要。
初動ではこれがめっちゃくちゃ混乱しました。
特に背景、マップチップやレールや切替機等の素材作成がかなり複雑に。
中盤以降はプランナーのジョージさんが素材リストを再度見直し&更新してくれたお陰で、余計な計算式に頭を悩ませることなく素材をアップすることが出来ました。
素材やタスクを管理してくれる方のありがたさを痛感 (、ーωー)、
★トロッコ君誕生!
最初はメインとなるトロッコのデザインから作ろうと考えました。
障害となるのは「トロッコが線路の切替器を使用せずに車線変更する」という謎の設定。
僕 「じゃあ手足を生やせば良いじゃない!ジャンプは手足で跳ねてビョーン!(`・Д・)φ」 ←アフォ
ということで殴り描いたのがコチラ▼
なんじゃこりゃ!!?
―とは思ったものの、評判良かったので一発採用。
まさか一発OKとは思っていなかったので、そこは嬉しい誤算。
この『トロッコ君』は、ゴロゴロ転がる椅子に腹で乗り、壁を蹴って滑るモチモチした生物をイメージをして描きました。
「やわらか戦車」があるんだから「ゆるトロッコ」があってもいいじゃないか、と。
とにかく「リアル思考」を避けてシンプルに可愛いキャラクターを目指しました。
過去2回の経験上、細部の描き込みほど時間を食う要素はありません。
シンプルかつインパクトのあるキャラクターをデザインするのが正解だと思いました。
★キャラが完成したら、次はタイトル画面だ!
先ほど作成したトロッコ君を全面的に押し出したタイトルにしたいので、全面的に押し出してみた▼
― 押し出し過ぎだよ!!!
これじゃトロッコかどうかすら怪しい生き物だ。
・・・いや、そもそもトロッコは生き物じゃないが。
ちなみに素材は全てSAIで作成していますが、「イラレ使えよ」と言われても仕方無い中途半端な質感に。
塗り込まれているようで、実のところ色数はめっちゃ少ないです。
線画も無し。というより今回は全ての素材において線画というものを描いてません。
ラフ画からそのまま仕上げに転じる手法や、レイヤー数や使用する色を絞ったのも、事前に考えていた時間削減を意識した作戦です。
★キャッチーなロゴを
タイトルが『団結!トロッコ君』に決まったのは2日目の後半。
プランナーのジョージさんが何気なく仮につけていたタイトルだったようですが、とてもゲームにマッチしていたので満場一致の採用。
そこで初めてロゴが描ける状態になりました。
ロゴはタイトル画面と併せてゲームの顔となるので、ゲーム全体の要素や、トロッコ君というキャラクターの設定をよく考えた上で、キャッチーなロゴを作成する必要がありました。
丸くて・・・可愛くて・・・トロッコで・・・ああ・・・なんか、いまいちピンと来ない。
と考えていると、同グラフィッカーのこじとらさんがゲームの雰囲気を考えて「星のカービィのロゴいいよね」と言って、ネタを提供してくれた。
―そして閃いた。描いた▼
ーあまり言うと自分の首を絞めるので、何かに似ているという件はさておき。
ゲームに関連する単語を数十点ピックアップして、ロゴに詰め込んでみました。
トロッコ、コイン、きらきら、荒野、ガタガタ(道が)、レール、ジャンプ・・・
具体的に形にすると、丸みを帯びた文字、コインのキラキラ、「ロ」をトロッコ君の顔、色相線は山あり谷ありの波々ラインを。ジャンプを意識したリング、などなど。
要素増し増しでワクワク楽しげな感じに仕上げてみました。
個人的にお気に入りのロゴです ( ・ω・)φ
★トロッコ君のグラフィック作成!
実際に操作するキャラクターのグラフィックを作成していく。
動作検証用の仮素材として初日に提供していたものがあるが、時間に余裕が出来たのでブラッシュアップ▼
トロッコ君はプレイヤー数に合わせて3色。
それぞれに喰らいモーションがあります。
今気付いたけど角っぽいのもがn
このトロッコの中身は考えていたものがあるのですが、時間の都合によりカット!
2月末のapp storeリリース版では、色々な物をランダムで載せる仕様になるかと思います。
何が搭載されるのか・・・僕のカオスな脳内のみぞ知る。
お楽しみに (・ω・)+
★まとめ
完成するとこうなった。(投げやり)
パッケージ風に描いたスプラッシュスクリーン▼
iPhoneの画面▼
iPadの画面▼
細かいところはチームリーダーのぎぎねっとがまとめてくれるはず!
と言うわけで、僕のまとめは、個人的な感想のみ。
まず初めに・・・
これでもか!というほど楽しかった!!!刺激を受け過ぎて脳汁出まくりましたね!(`・ω・)φ
そして、今年のGGJでは「能動的な制作」と「受動的な制作」の違いというものをしっかりと肌で感じ取ることが出来たように思えます。
この気持ち良さは他では味わえませんね。
また、『縦並びの関係で生まれるゲーム』と『横並びの関係で生まれるゲーム』は開発の段階から完成まで、全く毛色の違うものだと改めて実感させてくれたように思えます。
そういったことを感じ取れただけでも、非常に価値のある48時間でした。
最後に・・・
今回、札幌会場を運営した札幌ゲーム製作者コミュニティ Kawazを今後ともヨロシクね!( ・ω・)φ ←宣伝乙