GlobalGameJam2013札幌~激動のゲーム制作48時間~
★はじめに
こんにちは、2DCGグラフィッカーのべるです (、・ω・)、
今年も48時間でゲームを作るイベント『GlobalGameJam』(略してGGJ) に参加して来ました!
ねぎやん様が作成された札幌会場のポスター▼
★GlobalGameJamとは何ぞや?
GGJとは、提示されたテーマに沿って48時間でゲームを作る世界規模のお祭りイベントのことです。
今年は、イベント開催期間中の1月25日から27日までの3日間で、63カ国・地域の321会場に計14,000人以上のクリエイターが参加された模様。
日本はその内の17会場で計400人以上が参加。すごい規模!(`・ω´・)
そんな中で、僕は札幌ゲーム製作者コミュニティ Kawazが運営する札幌会場に、グラフィッカーとして参戦しました。
札幌会場で今年発表された全作品の詳細については、札幌会場のオーガナイザーぎぎにゃんこ様のブログで綺麗にまとめられています。
・・・え?終わり?!(`・ω´・;)
緊張を盛り上げるための演出かと思ったら、「ドクッドクッ・・・」というこの音こそが今年のテーマでした。
テーマ発表後、早速メンバーと集まって作戦会議。
僕が配属された1班はプログラマー2人、サウンド1人、グラフィッカー2人、プランナー1人の6人編成。
僕のテーマに対するファーストインプレッションは「心音」で、メンバーで集まって話しても、やはり「心音」という意見が多数。
何だか似たようなゲームが沢山量産されてしまうような危機感を感じたので、取りあえず強引にでもテーマを広げてみる。
そんな中で、チームリーダーのぎぎにゃんこから一言。
『僕は電車の音かと思いました』
★インディ・ジョーンズ風ゴールドラッシュで荒野をトロッコで爆走してジャンプもしちゃう
「電車の音」に着眼して、さらに広げていく。
「箱をゆすってゴトゴトさせる音」、「ベルトコンベアの音」などユニークな意見も多数出ましたが、最終的に決まったのが『トロッコ』の音。
トロッコが使用されているゲームとして、マリオRPGのトロッコのミニゲーム、SFCドンキーコングのトロッコ面などを引き合いにしてゲーム性をまとめていく。
最終的にゲームシステムの方向性の決定打になったのがアプリゲームの『Temple Run』だった。
必要なネタが出揃ったら、後は連想ゲームの要領で世界観を構築。
トロッコ ⇒ インディ・ジョーンズ ⇒ 荒野 ⇒ ゴールドラッシュ
非対称のゲーム性にそういった要素を絡めていく。
結果、iPadでルートを舗装しながらナビゲート、iPhone3台で適切なルートを選択しながら、4人で協力してコインを集めようぜ! ということになった。
(iPad1台、iPhone1台の2人プレイから可)
そして「トロッコが線路の切替器を使用せずに車線変更する」という道理が通らない設定は、キャラデザでゴリ押すことに (笑)
★イベント開始から2時間で制作開始
去年は深夜になるまで企画が定まらず、素材を作り始めたのも2日目の明け方からというスロースタートでした。
また、ほぼ全ての班がそうだったように記憶しています。
今回はそんな前回の反省点を踏まえて、事前にメンバーに「どういったゲームを作りたいか?」という話を持ち掛けていました。
その中で、WiiUに多く見られる『非対称ゲーム』という新しいジャンルのゲームが注目がされて、「iPadとiPhoneで画面を共有しながら異なる体験を提供できるゲームを作りたいよね」といった流れに。
つまり、僕達の班のメンバーの半数は、イベント開始前から「作りたいゲーム」に対するイマジネーションを持って望んでいたことになります。
僕が担当した箇所は、キャラデザイン、トロッコの作成、ロゴデザインと作成、タイトル画面やゲームオーバー画面のイベントCGなど、2DCGに関わるグラフィック作成となりました。
手描き感満載なGAME OVER画面▼
UI素材やテキスト関連の素材、プレイ中の背景、レールやマップチップ等は、もう一人のグラフィッカーでガチプロの、こじとらさんが作成して下さいました。
通信待機中画面の凄まじいクオリティに度肝を抜かれた方も多いと思います。
そんなこんなで作業開始!
★立ちはだかる端末と解像度の壁
実はiPadとiPhoneで画面のアスペクト比が異なります。
つまりは、素材は異なるアス比の対応を考慮して複数作成する必要があるということです。
さらに、両端末のRetinaディスプレイにも対応させることとなったので、1つの素材に対して異なる解像度の画像を計4種類作成する必要性が出てきました。
(iPad、iPadRetina、iPhone、iPhoneRetina)
つまり、3:4の画像と2:3の画像、さらにRetina対応で各アス比の2倍の解像度で計4種類の画像が必要。
初動ではこれがめっちゃくちゃ混乱しました。
特に背景、マップチップやレールや切替機等の素材作成がかなり複雑に。
中盤以降はプランナーのジョージさんが素材リストを再度見直し&更新してくれたお陰で、余計な計算式に頭を悩ませることなく素材をアップすることが出来ました。
素材やタスクを管理してくれる方のありがたさを痛感 (、ーωー)、
★トロッコ君誕生!
最初はメインとなるトロッコのデザインから作ろうと考えました。
障害となるのは「トロッコが線路の切替器を使用せずに車線変更する」という謎の設定。
僕 「じゃあ手足を生やせば良いじゃない!ジャンプは手足で跳ねてビョーン!(`・Д・)φ」 ←アフォ
ということで殴り描いたのがコチラ▼
なんじゃこりゃ!!?
―とは思ったものの、評判良かったので一発採用。
まさか一発OKとは思っていなかったので、そこは嬉しい誤算。
この『トロッコ君』は、ゴロゴロ転がる椅子に腹で乗り、壁を蹴って滑るモチモチした生物をイメージをして描きました。
「やわらか戦車」があるんだから「ゆるトロッコ」があってもいいじゃないか、と。
とにかく「リアル思考」を避けてシンプルに可愛いキャラクターを目指しました。
過去2回の経験上、細部の描き込みほど時間を食う要素はありません。
シンプルかつインパクトのあるキャラクターをデザインするのが正解だと思いました。
★キャラが完成したら、次はタイトル画面だ!
先ほど作成したトロッコ君を全面的に押し出したタイトルにしたいので、全面的に押し出してみた▼
― 押し出し過ぎだよ!!!
これじゃトロッコかどうかすら怪しい生き物だ。
・・・いや、そもそもトロッコは生き物じゃないが。
ちなみに素材は全てSAIで作成していますが、「イラレ使えよ」と言われても仕方無い中途半端な質感に。
塗り込まれているようで、実のところ色数はめっちゃ少ないです。
線画も無し。というより今回は全ての素材において線画というものを描いてません。
ラフ画からそのまま仕上げに転じる手法や、レイヤー数や使用する色を絞ったのも、事前に考えていた時間削減を意識した作戦です。
★キャッチーなロゴを
タイトルが『団結!トロッコ君』に決まったのは2日目の後半。
プランナーのジョージさんが何気なく仮につけていたタイトルだったようですが、とてもゲームにマッチしていたので満場一致の採用。
そこで初めてロゴが描ける状態になりました。
ロゴはタイトル画面と併せてゲームの顔となるので、ゲーム全体の要素や、トロッコ君というキャラクターの設定をよく考えた上で、キャッチーなロゴを作成する必要がありました。
丸くて・・・可愛くて・・・トロッコで・・・ああ・・・なんか、いまいちピンと来ない。
と考えていると、同グラフィッカーのこじとらさんがゲームの雰囲気を考えて「星のカービィのロゴいいよね」と言って、ネタを提供してくれた。
―そして閃いた。描いた▼
ーあまり言うと自分の首を絞めるので、何かに似ているという件はさておき。
ゲームに関連する単語を数十点ピックアップして、ロゴに詰め込んでみました。
トロッコ、コイン、きらきら、荒野、ガタガタ(道が)、レール、ジャンプ・・・
具体的に形にすると、丸みを帯びた文字、コインのキラキラ、「ロ」をトロッコ君の顔、色相線は山あり谷ありの波々ラインを。ジャンプを意識したリング、などなど。
要素増し増しでワクワク楽しげな感じに仕上げてみました。
個人的にお気に入りのロゴです ( ・ω・)φ
★トロッコ君のグラフィック作成!
実際に操作するキャラクターのグラフィックを作成していく。
動作検証用の仮素材として初日に提供していたものがあるが、時間に余裕が出来たのでブラッシュアップ▼
トロッコ君はプレイヤー数に合わせて3色。
それぞれに喰らいモーションがあります。
今気付いたけど角っぽいのもがn
このトロッコの中身は考えていたものがあるのですが、時間の都合によりカット!
2月末のapp storeリリース版では、色々な物をランダムで載せる仕様になるかと思います。
何が搭載されるのか・・・僕のカオスな脳内のみぞ知る。
お楽しみに (・ω・)+
★まとめ
完成するとこうなった。(投げやり)
パッケージ風に描いたスプラッシュスクリーン▼
iPhoneの画面▼
iPadの画面▼
細かいところはチームリーダーのぎぎねっとがまとめてくれるはず!
と言うわけで、僕のまとめは、個人的な感想のみ。
まず初めに・・・
これでもか!というほど楽しかった!!!刺激を受け過ぎて脳汁出まくりましたね!(`・ω・)φ
そして、今年のGGJでは「能動的な制作」と「受動的な制作」の違いというものをしっかりと肌で感じ取ることが出来たように思えます。
この気持ち良さは他では味わえませんね。
また、『縦並びの関係で生まれるゲーム』と『横並びの関係で生まれるゲーム』は開発の段階から完成まで、全く毛色の違うものだと改めて実感させてくれたように思えます。
そういったことを感じ取れただけでも、非常に価値のある48時間でした。
最後に・・・
今回、札幌会場を運営した札幌ゲーム製作者コミュニティ Kawazを今後ともヨロシクね!( ・ω・)φ ←宣伝乙