Global Game Jam 2014 札幌会場で『Wave Weaver』を作りました!
今年も Global Game Jam の48時間で最高のゲーム製作を体験してきました!
@meyco (めいこ) さんが作成された札幌会場用のポスター。超かわいい。
この記事を書いた人
札幌会場チーム1『Wave Weaver』でデザイン/アニメーションを担当した
『べる』と申します (∩・ω・)
GGJ参加は今回で4回目で、こっそりと札幌会場の皆勤クラスタです。
Global Game Jam って?
世界各国で同時開催!(今年は338箇所)
プロアマ関係なし!発表された『テーマ』をもとに、48時間で最高のゲームを作ろうぜ!
2012年には世界最大規模のゲーム開発イベントと認められ、ギネスにも認定されました。すごい (小並感)。
2014年のテーマは・・・
"We don't see things as they are, we see them as we are."
『私達は物事をあるようには見ないで、私達が在るように見ている。』
― アナイス・ニン 語録より ―
これがテーマだ!なるほど分からん。
そしてテーマから作ったゲーム『Wave Weaver』
結果として札幌会場チーム1はこういう作品を作りました。
迫り来るカラフルな波をかわしまくれ!
シンプル中毒ゲー、その名も『Wave Weaver』!(ウェーブ ウィーバー)
イベント後の試遊会からドハマりする方続出!
最高のゲームと胸を張って言える作品になりました。
テーマはどこにいった?
会場には動画と別に『テーマが印字されたカラフルな紙』が配布されました。
チーム1のリーダー @giginet (ぎぎねっと) が『この紙全体がテーマでも良いんです!』と言ったことがきっかけで、ふとこんなことを思いました。
『この紙はゲームの画面だ!』
そこに在るものがチーム1のテーマであり、ゲーム画面そのものに見えました。
デザイナー『べる』は何をしたの?
- 企画
- レベルの色彩とコンセプトアート
- キャラクターの動的演出とスプライトアニメーション
今回デザインで挑戦したこと
兼ねてより『ゲーム製作において挑戦したいこと』が二つありました。
ひとつ目は『配色にストーリーを持たせる』
ふたつ目は『フラットな世界観の表現』
ひとつ目の『配色にストーリーを持たせる』というのは、『風ノ旅ビト』の、プレイヤーの感情を意識したステージのコンセプトアートに強く影響されています。
ふたつ目の『フラットな世界観の表現』は今にして考えてみると、『Fez』のドットアニメーションの作風に影響されてから、想像を膨らませている過程で『140』の映像などを見たことがきっかけだったように思えます。どちらも映像のみの情報なのですが、記憶に残るほどに強烈なインスピレーションを受けました。
今回は良い機会だと思い、そういった我侭も企画に落とし込むことで実現することが出来ました。
チーム全員で作り上げたデザイン
グラフィック/デザイン周りは3人で分担しました。
@berunu (べる) 色彩設計/スプライトアニメーション
@mishima_ (三島) グラフィック/UI/キャラクター
@_hitsumabushi_ (ひつまぶし) エフェクト
しかし、チーム内のデザイン協力者を含めるとさらに増えます。
プログラマー @giginet (ぎぎねっと) レベルテキスト表示の動的演出を提案。
プログラマー @ignis_fatuus (いぐにす) 色弱を意識する必要性を明示。
プログラマー @tcptr (かふせ) 波形やパターン、フェードなど、波の動きを生成。
サウンド @shinka_cb (しんか) 色相に関するアイディアを拝借。
ドキュメント・進行管理 @tunacook (つなくっく) UIやレイアウトの品質のチェック。
なんと、この時点でチーム1の全員が出揃いました!
全員のアイディアの結晶が『Wave Weaver』のデザインを作り上げています。
一度崩して再構築した世界観
『Wave Weaver』は最初、フラットなデザイン、キャラクターのシルエット、ストーリーという概念がない、などの点から、作品のイメージが『無機質』な方向性に進んでいるようでした。そうなると自然と配色も『見た目』を重視され、とにかく色相を広げる戦略に向かいました。
そんな中、@mishima_ (三島) さんがキャラクターに目玉をつけたことにより、頭の中でその三角の生き物が、音の波とサウンドに併せてリズム良く鼓動し、形状を変化させ、目をパチパチとさせている姿が浮かびました。
(イメージは『ビブリボン』のウサギ)
作品全体の無機質なイメージを崩して、生きたキャラクター、演出、世界観を表現したいという気持ちがじわじわと胸の内に広がり続け・・
そして初日の深夜。
作り上げた背景と波の色を一度全部まっさらにして、@mishima_ (三島) さんの初期案を崩さずに、プレイヤーとキャラクターの感情を同期させるように意識した上で『レベルを跨いだときに感情が動く』ように色を組み直し、併せてキャラクターを意識したアニメーションの構想も練りました。
各レベル配色にどんな意味があるのかはネタバレになるので、リリース以降のブログのネタとするか、それよりも早く気になった場合は直接 @berunu (べる) までどうぞ。
2Dスプライトアニメーションのこだわり
今回は2Dアニメーション作成に『SpriteStudio』を使用しました。
とても簡単で、フラットなゲーム製作との相性もバツグンに良いツールです。
アニメーションでこだわったところはコッソリと多く、三角くんがビートに合わせて鼓動をしていること以外にも、目パチのテンポはあえてリズムからずらしていたり、伸縮に慣性をつけたり、リトライ時に形を取り戻したときは『意識を取り戻した』というイメージで目の焦点を上下に回していたりなど、キャラクターを演出するために細かいことをしています。
しかし『何となく細かくした』のではなくて『キャラクターを表現し、自然を装うために、必然的に細かくする必要があった』というのが正解です。意味もなく、座標もスケールも点から点を移動するだけのアニメーションとしてしまっては無機質かつチープな作りに感じてしまいます。
フラットなゲームのリッチさや各表現は、デザインやレイアウトに加えて、動的演出ひとつでガラリと変わるな、ということを実感しました。
近いうちに2Dスプライトアニメーションデータ作成ツール『SpriteStudio』の技術記事を書きますので、興味があればチェックしておいてください。
さいごに
GGJはたったの48時間ですが、体験としては半年の期間でゲームを製作をしたような気分になりました。それだけ得られるものが大きい。
また今回は、参加人数の増加に加えて、飛行機を飛ばしてまで札幌会場に参加されたり、RedBullが無限湧きだったり、例のアレやソレの中の人が参加されていたり、世界一のゲームジャムと言われるのも納得の状況になっていたように思います。
年々参加者も増えてきているので、来年はさらに多くの人を巻き込んで、沢山のゲームを作り出し、インディーゲームのシーンをより一層盛り上げてくれるイベントになるのでは無いかと期待しています。
Global Game Jam 最高の48時間をありがとう!
終わったと見せかけての告知
札幌会場チーム1作『Wave Weaver』はイベント中、cocos2d-xベースのiOSアプリとして開発していたので、まだ一般公開はされていません。
システム、レベルデザイン、グラフィック、演出など各種調整をして、さらに色を扱うゲームなので色弱対策も可能な限り考慮し、Androidにも対応した上でお届けできる予定です。
一般公開に向けて鋭意製作中ですので、ご期待ください!